介護職は無資格でも仕事を始められ、目標に応じてさまざまなキャリアパスを選べる特徴がある。介護業界におけるキャリアパスは、介護職員初任者研修から介護福祉士実務者研修、介護福祉士の資格を取るというものが一般的だ。そこからケアマネージャーや施設の管理者になったり、療法士や看護師などの医学方面に進んだりする人もいる。また十分な資格と経験があれば独立、開業も不可能ではない。
ステップアップするメリットは、やはり収入アップだ。無資格の介護士の平均年収は326万円、介護職員初任者研修を持っていると340万円、介護福祉士実務者研修だと350万円、介護福祉士だと395万円というように、資格のレベルが上がるごとに年収も上がるのが一般的だ。スタッフから施設管理者などの運営側になれば、年収400万円以上も射程圏内だ。
体の負担が減ることもメリットの一つだ。介護職は肉体労働が多く、腰や膝を痛める人は多い。また夜勤の長時間労働なども体に響き、歳を重ねても働けるかどうかという不安は介護士にはつきものだ。しかしケアマネージャーや管理者、主任の職に就くと、現場の最前線ではなく現場を指揮する立場になり、肉体労働は減る。管理職は施設外の人間と連携することが多いため、日中に仕事をすることが多くなり、夜勤の心配も無くなる。この他、転職に有利な点もメリットに挙げられ、介護職で身に付けるスキルや資格は日本全国で通用するものであり、1つの会社に依存する必要が無い。また介護業界の人手不足は解消しておらず、資格と経験のある介護士が職探しに困ることは少ない。